2026/08/07 22:13

支援にも、多様性を。|PRAY for Kumamoto 2026
2026年7月28日に発生した熊本の地震で、被害に遭われた皆さまに心よりお見舞い申し上げます。亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。
湯布院の私たちは無事です。まずそのことをお伝えした上で、少しだけ、10年前の話をさせてください。
湯布院の私たちは無事です。まずそのことをお伝えした上で、少しだけ、10年前の話をさせてください。
《店主 たにがわからのメッセージ》
長く熊本で音楽の企画をしてきました。あの街には、知っている顔がたくさんあります。
2016年4月、熊本で震度7を記録する大きな地震がありました。4月14日の前震、そして16日の本震。
揺れたのは、熊本だけではありませんでした。湯布院も震度6弱。当時やっていた店「CREEKS.」は古い一軒家で、建物はかなり傷みました。本震の前日である4月15日が、結果として最後の営業になりました。
熊本の被害は、私たちのそれとは比べものになりません。それでも、この経験から思うことがあります。
ひとつの店が消えてしまうかどうかは、被害の大きさだけで決まるわけではないと思います。そのあとに起こるさまざまなことのほうが、実は大きかったりします。
熊本のために何かしたい。でも、自分たちのことで精一杯だった私たちに、できることはほとんどありませんでした。
そのときに始めたのが、《Lost & Found ― 失ったから見つけた美しさ ―》というプロジェクトでした。
その中のひとつとして始めたのが、「PRAY for Kumamoto」の追悼曲配信です。
熊本を想い、アーティストが書き下ろしてくれた曲を、1年に1度、3日間だけ配信する。熊本のことを忘れないでいよう。ただそれだけの、小さな発信でした。
一方で、行き場を失った私たちを助けてくれたのは、音楽の友人たちでした。
音楽でつながった全国の友人が、私たちの商品を自分の店で代わりに売ってくれました。ライブ会場の物販に並べてくれたアーティストもいました。そして、東京でも仕事をしてみたらどうかと誘ってくれた友人がいて、その場所が、今の「分室ミチカケ」になっています。
私たちは、売ってもらうことで生き延びました。
閉店から約4か月後の2016年8月8日、場所を移して「ジャズとようかん」を始めました。
この8月8日で、ちょうど10年になります。
ただ、今年は手放しでは喜べません。
ひとつ、正直に書いておきたいことがあります。
《PRAY for》の配信は、8年目で止まっています。
その8年目に、能登半島地震が起きました。だからその年は熊本ではなく、能登へ向けて「追悼曲」を届けました。そして、それきりになりました。熊本に向けては、そこから何もできていません。
今年の4月、熊本地震から10年の節目を迎えました。何かしなければとずっと思いながら、私に余裕がなく、その月も何もできないまま過ぎていきました。
誰に頼まれて始めたわけでもない小さなプロジェクトなので、謝ることじゃないでしょうが、それでも引っかかってました。
そして7月28日、また熊本が揺れました。
だからこれは、10周年に合わせて考えた企画ではありません。
やり残していたことを、やります。
いつもの店の営みを、熊本への支援につなげます。
10年前、私たちは売ってもらって生き延びました。
今度は、私たちが売ります。
ジャズとようかん/旅する音楽
たにがわよしゆき
《支援にも、多様性を。》
熊本には今、たくさんの支援が向かっています。義援金も、行政による復旧も、なくてはならないものです。私たちもその力を信じています。
その上で、別の役割もあると思っています。
道路が直り、建物が建て直され、街が元に戻ったように見えても、その街らしさをつくってきた場所──ライブハウス、喫茶店、小さな個人店、ギャラリー──が、その間に静かに消えてしまうことがあります。
そして一度失われた場所がつくってきた時間や文化は、同じようには戻りません。
今回の地震では、建物が無事だった場所でも、公演やイベントが次々と中止になりました。壊れていなくても、仕事が消える。10年前に私たちが経験したのは、まさにそれでした。
だから私たちは、広く届く支援とは別に、自分たちが知っている場所へ、直接届けたいと思っています。
これまで関わってきた場所。これからも熊本にあってほしい場所や活動。誰に届いたのか、それが何に使われたのか、その後どうなったのか。私たち自身が確かめられる距離で支援を届けます。
大きな支援が広く届くことを願いながら、私たちは、私たちにしかできないことをやります。
《寄付の概要》
私たちが行うこと
今回の支援では、通常商品の売上の一部と、「PRAY FOR KUMAMOTO」グッズの売上を支援金として届けます。
1.通常商品の売上から10%
対象商品
10周年記念セット、Tシャツ、トートバッグ、ジャズ羊羹など
対象期間
2026年8月1日(土)〜8月31日(月)
期間中の対象商品の売上の10%を、熊本への支援に充てます。
対象となるのは、公式オンラインストアと、8月20日〜23日に出店する「べっぷ駅市場」での販売分です。
2.「PRAY for Kumamoto」グッズ
早ければ8月下旬から、今回のための「PRAY for Kumamoto」グッズを販売する予定です。
こちらは期間を設けず、製作費を除いた売上の全額を支援に充てます。
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販売予定
8月20日(木)〜23日(日)|べっぷ駅市場
音楽喫茶として出店します。
「PRAY for Kumamoto」グッズも、間に合えばこの会場から販売を始めます。
9月下旬予定|分室ミチカケ
東京・蔵前の「分室ミチカケ」でも、「PRAY for Kumamoto」グッズの販売を予定しています。
《支援先について》
支援先は、現時点では決めていません。
発災からまだ日が浅く、現地は今も片付けと、生活を立て直すことの途中にあります。この時点で私たちからご連絡を差し上げることは、かえってご負担になると考えました。
ひとつ、正直に書いておきます。
私が熊本で活動をしてきたのは、その多くが熊本市内でした。今回大きな被害が出ているのは八代・宇城市のあたりで、私が直接知っている場所ばかりではありません。
なので、八代にも深いつながりを持つ、熊本の信頼している友人たちと相談しながら決めていきます。
教えてもらった場所についても、私自身で調べ、どんな活動をしてきたところなのか、今どんな支援を必要としているのかを、確かめた上で判断します。
選ぶときに考えたいのは、こんなことです。
・今回の地震で、実際に影響を受けているか
・熊本の文化や、街らしさをつくってきた場所・活動であるか
・今、どんな支援を必要としているのかを確認できるか
これは、公平な配分ではありません。
限られたつながりの中から、私たち自身の判断で選ぶ支援です。
だからこそ、どこを選んだのかだけではなく、なぜそこへ届けようと思ったのかまで含めて、お伝えします。




